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エリア十一に住む|元日本人《イレヴン》、矯正エリアとなり今までよりさらにひどい扱い仕打ちを受けている。そんな日本人から全てを吸い上げて築かれ、さらに反映を極めたトウキョウ租界。外壁の内側沿いに張り巡らされたモノレールが、車を持たないブリタニア人の移動手段である。
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着艦したカレンの操縦するKMF『紅蓮』は、他に搭載されているKMFより明らかに強い色を放っているまさに異色のそれ。さらにそれに乗るカレンのパイロットスーツも紅蓮と同じ色であり、持ち前のプロポーションも合わせて他の兵士達からいろいろな目で見られている。
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「よくやった、シュタットフェルト。帰艦してよい」
スピーカーから漏れる抑揚の無い声が、コックピット内に響く。モニタとレーダーを確認し周囲に敵機がいない事を確認するとゆっくりと口を開く。 「イエス・マイ・ロード」 忌み嫌う者に従うための言葉を口にするたびに、歯痒さと悔しさを胸の奥で押し込めながらカレンはゆっくりと母艦へと進路を向けた。 自分の髪と同じ紅いボディをしたKMF『紅蓮』を駆る彼女は、ふと遠い日の事を思い出す。 「あれから四年……か」 紅月カレンとして、黒の騎士団として過ごした日々。学校の生徒会メンバーとして、カレン・シュタットフェルトとして過ごした日々。今ではもう遠い過去の事。今でも思い出し枕を濡らす事もあるが、今はできる事をするしかないと覚悟を決めている。人質として囚われている|みんな《・・・》を救う為には、ブリタニア軍所属のカレン・シュタットフェルトとして功績を上げなくてはならない事を、十分すぎるほど理解していた。 |黒の反逆《Black rebellion》と呼ばれた黒の騎士団の反乱は、黒の騎士団を率いていたゼロが死亡と言う事で幕を閉じた。 あれから四年、矯正エリアに格下げになった元日本であるエリア十一にカレンは配属されていた。 |
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赤く短い髪を揺らし、靴底を鳴らしながら無機質な廊下を一人歩いて行く。一定のリズムを刻むその音が、廊下の奥へと反響する。
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最初の爆発が起きたのは、モニタ上のマークが味方と敵をはっきり示してから二分後の事。自分も含めて動けずにいたが、その中の一機がゆっくりと姿勢を変えて右手に持つアサルトライフルの銃口を隣のKMFへと向ける。いつもであればペイント弾が装填されている、それが全員の共通認識であった。まさにそこが盲点という事に気づけた者がいただろうか……。
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